メンバー全員当時から技術、表現力の高さをみせつけられるアルバムで、曲の独自性という意味では全アルバム中最も
高いと言えるのではないだろうか?インストの定番The Ytse Jamは今でもたまにライブで演奏され、2004年来日武道館公演
で演奏されたOnly A Matter Of Timeはこのアルバムで聴ける。
収録曲のPull Me Under, Metropolis Part 1等はファンの間で特に人気のある曲で、ライブで始まると嫌が応でも盛り上がる名曲だ。
Jamesの音域の広さをまざまざと見せ付けられるTake The Timeも必聴だし、変拍子の嵐のUnder A Glass Moonなど聴き所満載だ。
Another Day, Wait For Sleepは共に珠玉のバラードといっていい曲だろう。ここまで書いて気付いたが、Mイトウ的な文ですね自分。てへ。
前述した通り、重さにこだわっているあまりにメロディを軽視しているのか?というとそんなことはない。うまい具合に共存しているのだ。
Caught In A Web, Innocence Faded, The Silent Man, Lifting Shadows Off A Dreamなどで極上なメロディーを聴くことが出来るだろう。
特にCaught In A Webの単調なリフの繰り返しに乗っかる、あの縫っていくようなメロディーラインは秀逸としか言いようが無い。
惜しむらくはボーカルの声の調子が良くない時にレコーディングされたことだ。長きに渡るI&Wツアーで喉を痛めてしまったとのことらしい。
新たな試みがあるのもこのアルバムの特徴だ。New MillenniumではJMがベースの代わりにスティックを使い、
Lines In The SandではDTとしてはめずらしく、ゲストミュージシャンを迎えてレコーディングされた。
Just Let Me BreatheではJamesが初のラップを披露している。ライブだとその部分をやるのに拡声器を使っていたりする。
JPのカッティングが聴けるNew Millennium, Lines In The Sand。圧倒的なユニゾンを堪能できるHell's Kitchen。
Jamesの良さを満遍なく引き出しているTake Away My Pain。今までのDTとは一味違ったプレイが満載だ。
製作準備期間が長かったこともあり、この時期に作られたもののアルバムに入らなかった曲も多い。
Raise The Knife, The Way It Used To Be, Cover My Eyesなど。Hollow Yearsのシングル盤や5 Years In A Live Timeなどで聴ける。
Hollow Yearsのシングル盤にはYou Not Meのデモバージョンが入っていて、比較しながら聴くのも面白い。
最後に、作った本人達はこのアルバムがプロデューサーによってコントロールされたことが気に入ってないらしい。
具体例を挙げると、Burning My SoulとHell's Kitchenは元々一つの曲だったのだが、二つに分けるよう指示されたこと。
これはアルバム全体のバランスと長い曲のままだとマニアックな層にしか受けないということを考えたプロデューサーなりの配慮
であったと考えられる。本当に嫌だったのか、ライブでこの曲をやる時は大体元のバージョンでやっている。
Lines In The Sandについても同じだ。しかし自分はアルバムバージョンの方が好きなので、Kevin Shirlyはいい判断をしたと思っている。
ちなみにLines In The Sandの元バージョンは大して上手くも無いコーラスが散りばめられていて、とても聴けたものではない。